下肢静脈瘤とは
下肢の静脈が太く拡大し、浮き出ている状態を
静脈瘤といいます。
下肢静脈瘤の種類
- 伏在型静脈瘤(最も太い)
- 網目状静脈瘤
- 側枝静脈瘤
- クモの巣状静脈瘤(直径が1mm以下)
下肢静脈瘤の原因
下肢には足の中心部を流れる太い深部静脈と皮下に流れる大伏在静脈、小伏在静脈があり、これらの静脈は交通枝でお互いにつながっています。
静脈血は動脈血と違って自ら流れる力はありません。
静脈には内腔に弁があり、血液が逆流するのを防止していますが、筋肉の収縮や弛緩によるポンプ作用で心臓の方へ環流します。
お産の後や、長時間の立ち仕事(美容師、調理師、教師など)では静脈の圧迫や重力で下肢に血液が貯留し、静脈は拡張します。
血液の貯留に静脈の弁が
耐えられなくなると
弁不全となり、
深部静脈内の血液が
大伏在静脈や
小伏在静脈に逆流し皮下に
静脈留が発生します。
下肢静脈瘤の原因
下肢に、酸素濃度の低い静脈血が常に溜まり(静脈うっ血)、皮膚、皮下組織、筋肉などが酸素不足となるため、足がだるい、重い、むくむ、こむらがえりなどの症状が出てきます。
静脈のうっ滞が更にひどくなると、静脈瘤内に血栓が出来たり(血栓性静脈炎)、皮膚が色素沈着したり、最もひどい場合には皮膚潰瘍となります。
静脈瘤の発生
下肢の血液は3本の静脈を通って心臓に流れていきます。長時間の立ち仕事や腹圧のかかる運動などにより伏在静脈の弁が壊れ、深部静脈の血液が伏在静脈に流れていきます。
その結果静脈瘤が発症します。
下肢静脈瘤の治療法
診断症例はこちら(PDF)
治療の流れ
手術前診察
- 診察と血管ドプラーエコー検査を行い、どのような手術が必要か判断します。
- 日帰り手術が可能な場合、感染症の血液検査をします。
- 手術の日程をご相談します。
手術当日
12:50 | 血管ドプラーエコー検査(約10分) |
13:15 | 手術開始 (カテーテルによる焼灼術でも抜去切除術でも30~40分で終了します。) |
14:00 | 抗生剤、鎮痛剤を服用して頂き帰宅。 歩いて帰れます。車の運転も出来ます。 |
術後のフォロー
- 3日目 ガーゼ交換・夜よりシャワー可能
- 7日目 抜糸
- 8日目 入浴可能
- 2週間後 診察
総費用
※手術費用は保険の種類によって違います。
- 血管内焼灼術 3割の方 約43,000円
- 抜去切除術 3割の方 約43,000円
- 硬化療法 3割の方 約5,000円